これまで過去数回に渡ってオリーブオイルについてお話してきました。

 

オリーブオイルの歴史

オリーブオイルの選び方

オリーブオイルができるまで~フラントイオ見学~

 

オリーブオイルに馴染みが無かった方も

地中海沿岸諸国においてオリーブオイルは

日本でいう新米や新茶を愛でるように

新オリーブオイルのフレッシュな味わいを愛で

その後も一年中調理の際には無くてはならない食材だということを

ご理解いただけたかと思います。

 

 

本日はオリーブオイルの本質・効能についてお話致します。

ただし、その効能が得られる条件として

オイルの種類は一番搾りの「エキストラ・ヴァージン・オリーブオイル」であること。

適切な温度・遮光の下で保存された製品であること。

条件に関しましては上記リンクの「オリーブオイルの選び方」をご参考ください。

 

 

地中海式食事法における脂質

人間が生きていく上で必要な栄養素は沢山ありますが

その中でも重要な三大栄養素 ・ 炭水化物、たんぱく質、脂質の中の

「脂質」を地中海式食事法では主にオリーブオイルから摂取しています。

 

 

油脂とは?

私達が日常生活で使用している油脂は

ひまわり油、ごま油、バター、菜種油、牛脂、ラードなど様々ですが

常温で液体のものを「」 ・・・ひまわり油、ごま油、菜種油、オリーブオイル、魚油など

常温で固体のものを「」・・・バター、牛脂、ラードなど

と区別しており、これらを総称して油脂と呼んでいます。

 

 

脂肪酸の種類

牛脂やラードなど、動物の体温は人間よりも高く

常温で放置したり人体に入った後も固体でいる性質の脂を

飽和脂肪酸と呼びます。

 

一方常温で液体の性質のあるオリーブオイルや魚油、ひまわり油などを

不飽和脂肪酸と呼びます。

butter&oil

 

飽和脂肪酸は人体に入っても固体でいる性質があるので

血液中でも固まりやすく血液を流れにくくする

とイメージされると解りやすいかと思います。

 

飽和脂肪酸の取り過ぎは

LDL(悪玉)コレステロール)や中性脂肪を増やし

心疾患のリスクを高めることが研究によって明らかにされています。

 

 

様々な脂肪酸がある中、その分子構造の中で

炭素と炭素の結びつきに二重構造があるか無いかで

その種類が分類されています。

 

飽和脂肪酸は二重結合が無く

不飽和脂肪酸は二重結合があります。

 

さて、常温で固形の飽和脂肪酸は置いておいて

常温で液体の不飽和脂肪酸をさらに細かく分類していきましょう。

 

不飽和脂肪酸には一価不飽和脂肪酸多価不飽和脂肪酸があります。

これは二重結合の数により区分されています。

二重結合がひとつのものを一価不飽和脂肪酸

二重結合が2つ以上のものを多価不飽和脂肪酸と呼びます。

 

 

オリーブオイルは一価不飽和脂肪酸です。

一価不飽和脂肪酸において二重結合は

左から数えて9番目と10番目の炭素の間にあることから

n-9不飽和脂肪酸(全体の炭素をnとする)

またはω-9系(オメガ9系・ωとは二重結合の位置を指す)とも呼ばれます。

 

一価不飽和脂肪酸のオリーブオイルは

飽和脂肪酸に比べて胃の滞在時間が短いため

胃酸の分泌が少なくてすみ、胃酸過多・胃潰瘍などの予防・改善にも効果的です。

 

 

オレイン酸の効用

オリーブオイルには74%もオレイン酸が含まれています。

オレイン酸はオリーブオイルやナッツ類になどに含まれる一価不飽和脂肪酸です。

オレイン酸は二重結合がひとつ(一価)のため

不飽和脂肪酸の中では最も酸化しにくく

加熱調理にも安心して使うことができます。

 

 

 

 

 

LDL(悪玉)コレステロールだけを下げる働き

 

 オレイン酸は血液中のコレステロースの中でも

HDL(善玉)コレステロールは下げずに

LDL(悪玉)コレステロールの値を下げる働きがあります。

 

 

HDLコレステロールとは、運動をした時などに上昇するコレステロール値で

血管内壁に沈着して動脈硬化などの原因になる

コレステロールを除去して肝臓まで運ぶ働きをしています。

このため「善玉」と呼ばれています。

 

 

LDLコレステロールは血液中で合成され

血流にのってコレステロールを全身に運びます。

しかし血液中のLDLコレステロールが増えすぎると

行き場がなくなり、やがて変性したコレステロールが血管壁に沈着し

動脈硬化を起こす原因となり、このため「悪玉」と呼ばれています。

 

 

このオレイン酸の働きは動脈硬化や

心筋梗塞などの冠動脈疾患の予防に繋がることが明らかになりました。

 

 

以前ご紹介したアンセル・キーズ氏の疫学調査

地中海沿岸地方にて食事をしているイタリアやギリシャの人々が

狭心症や心筋梗塞での死亡率が低かったのは

その発症の主な要因は血液中のコレステロールであると実証しました。

 

つまり地中海式食事法でふんだんに使用されている

オリーブオイルが血液中の悪玉コレステロール値を下げていたことにより

アメリカや北欧の人々との死亡率に差が出ていたことになります。

 

 

古代から引き継がれた大自然の恵み、オリーブオイル。

地中海沿岸地方の恵まれた食材、食文化により

季節の収穫物をオリーブオイルと頂くことで

自然と健康的な食生活を送っていたこの地方の偉大な食文化を

キーズ博士が世界中に知らしめてくれました。

 

地中海式ダイエットのお話は

まだオリーブオイルの効能に触れただけ。

これからより深くこの食文化を掘り起こしてみたいと思います。

どうぞお楽しみに☆