先日は地中海式食事法を世に広めた

アンセル・キーズ氏の研究結果と共に

オリーブオイルの効能~脂質の分類~

についてお話いたしました。

 

キーズ氏は長年に渡る疫学調査により

オリーブオイルを多用し

地中海沿岸にて食生活を送るイタリアやギリシャの人々が

狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患での死亡率が低いのは

オリーブオイルが血中のLDLコレステロールを下げる働きによるものだ

ということを実証しました。

 

確かに血中のLDLコレステロールの値が高い人は

心疾患や脳梗塞・心筋梗塞などの動脈硬化性疾患になりやすく

これを理由にLDLコレステロールを悪玉

運動することなどにより値が増えるHDLコレステロールを善玉

と呼ぶようになっていったのですが….

 

HDL&LDL

 

 

最近の日本人を対象にした追跡調査では

コレステロールと心疾患の関係は全くなかった

という結果も出てきています。

これは金城学院大学オープンリサーチセンターのホームページの

Ⅲ章 動脈硬化のコレステロール仮設(神話)の崩落 ωバランスが鍵

というPDFファイルを読んでおりましたところ奥山治美氏の見解が

もはや神話となりつつあるキーズ氏等のコレステロール説を覆す

調査結果を元に語られているのです。

 

 

 

今まで調査対象者を集める際

もともとコレステロール値が高い人を集めていました。

そのコレステロールが高い人の中には

遺伝的な「家族性高コレステロール血症」の人と

遺伝的要素を持たない一般集団の「高コレステロール血症」の人と

2種類のタイプが混在していたのです。

 

 

家族性高コレステロール血症の頻度は500人に1人くらい

若い頃からコレステロール値が高く

心臓病の発症率は一般の人の10倍以上で短命です。

この遺伝的なタイプはキーズ氏の説が当てはまり

コレステロールが高いと心疾患になりやすいのです。

 

一方、コレステロールが高い40~50歳以上の一般集団においては

高コレステロール値は心臓病の原因になっていない

ことがわかったのです。 (PDF p.9 図7 参照)

 

 

images

そしてさらに驚きの結果が….。

日本や欧米での一般集団の年齢別解析の報告によると

それらの共通的な結果は

40~50歳以上の一般集団では

コレステロール値が高いほど癌死亡率が低く

総死亡率も低い(長生きである)ということ   でした。

(PDF p.10 図8 参照)

 

 

つまりLDLコレステロールを「悪玉」と呼ぶなんて

失礼に値する結果でしたね。

 

 

このように医学の世界では毎日新しい研究結果が発表されています。

どれが正解、どれが間違いというのではなく

諸説ある情報を頭に入れておいて

それを判断していく必要があります。

 

目の前に提示された情報や治療法を鵜呑みにせず

自ら判断していく力をつけていきたいですね。